臨床研修医からのメッセージ14(八戸市立市民病院)
八戸市立市民病院3年目研修医 黒澤大樹(平成17年3月高知大学卒)
昨年5月より産婦人科で研修を始め、もう少しで9か月が過ぎようとしています。1月12日現在で帝王切開術症例、腹式単純子宮全摘術12症例、腹腔鏡下手術16症例、円錐切除術16症例を執刀させて頂きました。手術について教科書で手順を勉強していたものの、次の操作をどの器械を使ってどのように行うのかなど一つ一つがおぼつかなかったのですが、その都度ていねいに教えていただきました。出血した部分があれば代わって止血していただいたり、自分が上手くできない場面には助け舟を出していただき、その場をしのぐと同時に手技を学ぶこともできました。産婦人科当直を始めるに当ってはかなりの不安がありましたが、研修はじめのうちは当直の先生の下に副直としてfirst callをもらい、最初の問診等を行って情報を整理して指導医の先生と診察・治療を行い、そこで基本的な診察・治療手技や診断・治療の考え方を学ぶことができました。吸引分娩の場合には出来る限りcallしていただき、引かせていただきました。
吸引カップが滑脱し途中で交代してもらったりしましたが、その都度コツや注意点を教えていただきました。実践的な手技をまずは自分にさせていただき、うまくできない時には指導医の先生方にrecoverしていただくことで少しずつ着実に上達できたような気がします。指導医の先生方に恵まれ、充実した研修生活が送れたと感じています。
私はもともと八戸市立市民病院の外科系コースで初期研修を開始しました。医師を志した頃から医師と言えば手術というイメージがあり、そのためか手術のできる科に進みたいという思いは変わりませんでした。以前から産婦人科を考えていましたが、当初はなかなか産婦人科とはっきり決められませんでした。その理由は、男性医師が産婦人科になってもこの先肩身が狭くなるというようなことを聞き、確かにその通りなのかも・・・・・・ということです。今考えると他愛ないことですが、この心配を払拭してくれたのがローテート研修中の病棟の看護師長の「本当に助けてもらいたい時に男も女もないじゃない」という言葉でした。この一言で迷いがふっ切れ、自分の進む道を決められたように思います。このように振り返ってみると、この約3年間のうちに多くの人に出会い、支えていただき今の自分がいるのだなあとつくづく思います。
産科医は訴訟の率が高い、勤務時間が不規則、などの理由で減少が続いているとのことですが、考えようによってはチャンスではないかと思っています。もちろんある程度リスクは覚悟しなければならないと考えていますが、あまり現状にとらわれずにこれからも謙虚な姿勢で研鑚を積んでいきたいと思います。
